葉っぱは飲み物

書評

先日、年に一度の大イベント「棚卸」を行った。
棚卸については、先週アップされた「新人のつぶやき💪」をご覧いただきたいが、今回は数年前の倉庫のお引越しで発掘した本の書評を掲載してみたいと思った次第。

平井小糸『古代食の知恵 食生活の原点にかえる』(1980年、潮文社リヴ)

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最近、弊社は倉庫の引越しを行った。

その際見つけた、「資料」と書かれた一箱の古びた段ボール。中を確認してみると、古代史関連の古書が数多く保管されてあり、そのなかで、ふとこの本が目に留まったもので、読んでみようと紐解いてみた。

表紙には、『添加物や農薬づけの食生活の中で、とかく心身の健康を失いがちなすべての人々に贈る、古代の大らかなロマンと人間味にあふれた食卓への招待状』と、コピーが躍っている。著者は元々美食家で、気づいたときには「病の巣」状態だったというが、古代食を始めてすこぶる健康になったそうだ。『添加物や農薬づけの食生活』が取りざたされ、有機や無添加食品が関心を集めたのはわりと最近のことのように思っていた。しかし、本書の発行年は1980年。いまから35年前だった。

古代食、と聞いて古代ローマ料理のようなものも期待しながら読んでいたが、本書で語られる古代食の基本は「そのまま食べる」ことだった。本書では、実に様々なものの食べ方や効能などが紹介されている。「これは食べてみたいな」、と思うものもあれば、「これはちょっと……」と思うものも多く、まさに現代との食文化の違いを感じた。なかでも、「水代わりに柿の葉などの葉っぱを、そのままむしゃむしゃ食べる」ことには驚いた。

さすがに、すべてを古代食生活に……とはいかないが、古代の食文化を多少は取り入れてみるのも悪くないかもしれない。はたして、柿の葉をむしゃむしゃ頬張る日はくるだろうか。

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先輩諸氏からの「タイムカプセル」を受け取り、連綿と続く会社の歴史と時の流れを感じたように思えた。しかし、いったいこの本がどういう経緯で梓にやってきたのか……。
はたして柿の葉をむしゃむしゃ食べた先輩はいたのだろうか。

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