埴猪口のつぶやき

梓のつぶやき

こんにちは。
本日は少し新刊についての小話を。

「ヨーロッパの旅 1973年」

著者の方の約50年前の旅日記をまとめた一冊。

1973年。1964年の海外旅行自由化による、海外旅行ブームがまだまだ続いていたころ。
当時26歳だった「私」が友人の「彼女」とともに、旅した2ヶ月間のヨーロッパ旅行。
その道中の心の声が(良くも悪くも)綴られています。

ただただ淡々と、見たもの・思ったことがそのまま書かれた文章というのは、
読む人に書き手の追体験をさせるように思います。

読み手の方の多くはきっと、
旅先で誘拐未遂(!)に遭いかけないし、
旅先で皇太子夫妻とお話しする(!?)こともないし、
そもそも50年前にヨーロッパ旅行へ行っていないでしょう。

でも、
食費と宿泊費をいかに安くすませるか…
あそこは美味しかったけど、あそこはちょっと…うーん、ノーコメント…
みたいなことを思う、ちょっと知らない土地への旅行の経験はあるかもしれない。

その微妙に「わかる」経験が、
まるで「もう記憶があやふやになった昔の旅の記憶」のようになって、
著者の方が50年越しに日記を読み返して感じたことと
似たようなものを読み手にも感じさせるのではないかな、なんて。
ふわふわ、そんなことを思いながら編集させていただきました。

ちなみに、この装丁のイラストは実際の日記の中身をスキャンして取り込んだもの。

日記本文はほぼ修正していないそのままの文章なのですが、イラストは載せなかったので、
せっかくならばどこかに残したく、装丁に。
デザイナーさんにとても素敵に仕上げていただきました。

もしよければお手に取っていただけると幸いです。
ではでは。

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