一冊の本の背後に

梓のつぶやき

つい先日まで暑い暑いと言っていたのが嘘のように、一気に肌寒くなりましたね。

秋の深まりに読書も進む季節となってまいりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

 

毎日数えきれないほどの本が出版されている現代では、読みたい新刊を読もうと思っても、なかなか追いつけるものではありません。かく言う私も、買った本に手を付けないまま、積読の山が高くなっていく一方です。

しかし! 出版社に就職して、いざ作る側になってみると、何気なく手に取るその一冊一冊ができるまでに、なんと多くの人の力が関わっていることかと、改めて驚きました。

私がこれまで目にしてきた、書店に、図書館に、古本屋さんに、その他ありとあらゆるところにあった本は、単に「自分が、あるいは誰かが読むかもしれない本」でした。それはそれだけでもちろん素敵なことでしたが、それに加えて今では……

・著者さん(原稿を書くのって本当に大変、思いが詰まっています)

・出版社(編集者、校正者、営業…e.t.c. 著者さんの原稿を形にします)

・デザイナーさん(本の装丁を作ってくれます)

・印刷所さん(印刷、製本をしてくれます)

・取次さん(本の流通を管理してくれています)

・書店さん(本を売ってくれます)

と、たった一冊の情報量が一気に増えました。上に挙げたのも大まかな行程で、本当はもっとたくさんの人が関わっているのだと思います。

入社して半年で、一冊の本の背後に、どわーっとたくさんの人の姿が見えるようになった気分です。社会はこうやって回っているのですね。

 

さて、来月も梓書院からは新刊が続々発売となります。

一冊一冊、真心を込めて作らせていただいておりますので、どうぞお楽しみに。

 

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