遊撃する中小企業 お試し読み
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まえがきまえがき豊かな島・九州を活かし、堅実に生きる中小企業たち 本書は、福岡県、佐賀県、長崎県の北部九州3県の信用金庫が注目する企業15社を選んで、その一つひとつの企業と経営者を取材したストーリー集である。 紹介されている会社はわずか15社だが、実に多様だ。創業以来150年を数え、現社長が五代目という企業がある一方、創業1年半の企業がある。創業100年を迎える四代続く会社があり、社長が三代目の会社が6社、二代目という会社が5社、現社長が創業した会社が2社ある。順調に事業承継ができている企業が15社中13社。人口減少と若者の地方離れの中で、これは立派である。 どら焼き、ぼうろ、カステラ、こんにゃく、甘酒、唐揚げなど、食品メーカーが多い。九州の伝統的な食品を商品化しているところばかりだ。チョコという名の電気自動車の普及に取り組む企業もあれば、農機メーカーもある。畳、健康塗料、健康寝具など住生活を支えるメーカーもある。観光を支える旅館があり、劇団もあれば、コミュニティFMもある。 しかし、全社に共通していることがある。それは、いずれの会社も地域にしっかりとビジネスの基盤を作っていることだ。3

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