邪馬台国137号 試し読み
9/12

181  ご当地「邪馬台国」論争 ─諸説紛々、卑弥呼もいろいろ州」対決に吉備・出雲勢が絡んで、女王国探索レースの成り行きは、なお予断を許さない情勢だ。一方、「われこそ邪馬台国」を掲げる全国の比定地では、謎に包まれた歴史のロマンを観光資源として活かそうと、あの手この手のPR合戦に余念がない。手っ取り早くイベント観光などに担ぎ出されたのが「ミス卑弥呼」。福岡県朝倉市や大阪府大和郡山市などでは毎年、公募で「卑弥呼」を選定している。平成三一年四月の改選で第三七代が誕生した朝倉市の「女王卑弥呼」二人は、九州北部豪雨からの復興をアピールするため五月、ゴールデンウィークの「博多どんたく港祭り」にも登場。また同じく第三七代の大和郡山市の「女王卑弥呼」三人は、地元の「大和郡山お城まつりパレード」や「卑弥呼まつり」(五月)などで活躍中だ。さらに、国宝・銀象嵌銘大刀で有名な江田船山古墳がある熊本県和なごみまち水町では毎年、公募で卑弥呼ならぬ「火ひみこ巫女」(令和元年で第三九代)一人を選定。四九回目を迎えた八福岡県朝倉市の第37代ミス卑弥呼大阪府大和郡山市で「交代式」に臨んだ新旧のミス卑弥呼たち(大和郡山市観光協会ホームページから)国宝・銀象嵌銘大刀が出土した江田船山古墳(熊本県和水町)の古墳祭で、松明行列に臨んだ火巫女と被葬者とされる「ムリテ」(令和元年8月4日)

元のページ  ../index.html#9

このブックを見る