邪馬台国137号 試し読み
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183  ご当地「邪馬台国」論争 ─諸説紛々、卑弥呼もいろいろ受賞作品(窪信一郎氏作)という。行橋市に隣接する苅田町には、三角縁神獣鏡七面が出土した九州最古級の前方後円墳、石塚山古墳(三世紀後半)があり、邪馬台国比定地の一つでもある。さらに九州の陸の玄関口、JR博多駅構内にもりっぱな卑弥呼像があるのをご存知だろうか。駅中央口の改札を入って左側に、高さ一・八㍍、重さ百㌔という巨大博多人形の卑弥呼像がケースに入れて飾られている。博多人形師の川崎幸子さんが一年がかりで制作した超大作。頭に宝冠を戴き、王塚古墳(福岡県桂川町・国指定特別史跡)の装飾壁画を思わせる連続三角文や円文などの衣装を着けた、きらびやかな卑弥呼像だ。右手に金色に輝く鏡を持ち、左手に百済伝来の七支刀を高く掲げているポーズがユニーク。七支刀(四世紀)と卑弥呼の時代にはややズレ?があるが、この際「小さいこと」に目クジラを立てるのはよそう。この卑弥呼像は、奴国の玄関口に立つ博多っ子の守護像でもあるのだ。さて、畿内に目を移すと、大阪府和泉市にある大阪府立弥生文化博物館の卑弥呼像が出色。同博物館は、和泉市池上町と泉大津市曽根町にまたがる弥生時代中期の大規模環濠集落・池上曽根遺跡に隣接し、「目で見る弥生文化」「池上曽根ワールド」などの常設展示がある。シンボルゾーンに展示されている等身大の卑弥呼像は、両手で鏡を高く掲げる雄々しい姿。「美人すぎる卑弥呼」としても有名だ。JR博多駅構内の巨大博多人形の卑弥呼像は、七支刀を掲げたユニークなポーズ両手で鏡を捧げ持つ、大阪府立弥生文化博物館の「美人すぎる?」卑弥呼像

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