桜、ななたび 試し読み
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173 第四章 水のない桜川脚注 幻の名酒『桜川』は、鹿屋が生んだ酒の逸品であった。天保時代、鹿屋の木下長吉の家に代々伝わる酒である。島津公御用の酒家に命ぜられるほどの名家となった木下。御用酒桜川の看板は、鹿児島市にある黎明館に展示されている。戦時中は、特攻隊員が連日連夜、この『桜川』を飲み、還らぬ空に出撃して行った。その味は清爽にして甘美と言われている。

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