ペッギィちゃんの戦争と平和 青い目の人形物語 試し読み
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10“やさしい日本の嬢じょうちゃんよ 仲なかよく遊あそんでやっとくれ”このあと、校長先生は「世せかい界の平へいわ和は子どもから……」と、ペッギィちゃんが「親しんぜん善のお使つかい」として学校を訪おとずれてきたことをお話しされました。その時の、ペッギィちゃんの歓迎の式を終おえたあとの記*きねんしゃしん念写真が残のこされています。それを見ると、前ぜんれつ列に日の丸の旗と、アメリカの星*せいじょうき条旗を手に持もつ子どもたち、二列、三列に男の先生、女の先生、おヒゲの顔は校長先生でしょうか。後ろには、大きな日本とアメリカの国こっき旗が交こうさ差されています。その後、ペッギィちゃんは、ひな祭や学校のいろいろな行ぎょうじ事のたびに親しまれ、平和の親しんぜんしせつ善使節として活かつやく躍していました。ところが、昭和十六年(一九四一)十二月八日、日本海かいぐん軍が、アメリカの主しゅりょく力艦かんたい隊が集しゅう結けつしていたハワイの真しんじゅわん珠湾を攻こうげき撃し、ついに日本とアメリカは戦せんそう争をすることになります。その後だんだん戦争は激はげしくなり、しだいに日本が不ふり利になった昭和十八年の頃から、「平*この記念写真は上町の種苗店金光邦彦さんが保存されていたそうです。*星条旗=アメリカの国こっき旗

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