中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
83/108

83the history of One hundred years NAKAMURA株式会社中村タイル商会100年のあゆみに報いよ。家法を守らず、おごりにふけり、家業を怠れば、お前たちが天罰を受けるのは勿論だが、わたくしも罰を受け、すぐに生活に困り、飢えに至るだろう。わたくし一代の間、御上の御用を務めたこと、子孫のためにしたことなど一緒にまとめて一冊とし残すことにする。 清三(清作)は一生を家訓に記した信念で押し通した。その結果、万延元年九月、今からおよそ一五〇年前、長年宿願とした、福岡藩への金一万両の献金を実行することができた。その奇特な行ないが殿様のお耳に達し、永代五十人扶持を頂戴することができた。永代というのは、清三(清作)だけでなく、子孫にまでという意味である。おそらく明治四年の廃藩置県の時まで、この特権は続いたのであろう。福博町人格式では、事実上の最高の大賀並を仰せつけられた。同時に苗字を中村と名乗ることも許された。清三(清作)の願いは、すべてかなったのである。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です