中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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60もない。ただ堅実経営を標榜し、全国展開等の野望も排除してきたために、業績の急成長のようなドラマはない。博多の成長とともに、九州の振興とともに歩んできたことは、地場で小回りが効く建設会社とタイアップしての仕事にも現れていて、業績も順調というか安定した形で推移している。タイルの仕入れは、メーカーが中京地方に集中している関係で、現在も仕入先としているKY社、TOTOなどとのお付き合いが多い。当時のタイルはカラー装飾を施す程度で、丈夫な規格品が主流。ビルの外装やキッチン・トイレの内装にしても、清潔感、爽やか感等を演出するものとして愛用されていて、民間住宅では憧れに近いものがあったという。メーカーの総代理店を標榜した時期もあったが、総じてメーカー各社と等距離にお付き合いしていた。ここまでが、個人商店時代、合資会社時代で、伝聞や文献による歴史語りだった。しかし、この時代を過ぎると中村タイル商会は本格的な会社形式を取るようになり、組織も業務体制も整備されていった。

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