中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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54かったのだろうか。多分両方だろうが、とにかくタイルの需要は拡大の一途、途切れることはなかった。こうして戦後の我が社は、極めて恵まれた環境の中で、再起から成長への道を歩むことができたのである。ただ、この時期を記した資料はほとんど残っていない。しかし、まだ学生だった三代目社長の中村博幸によると、当時の荷物搬送手段はリヤカーが主で、よくて自転車だった。我が社に営業用自動車が入ったのは昭和三〇年代半ば、それもオート三輪車だった。そんな状況下、次々にタイル職人を工事現場に派遣し、資材搬送に多忙を極めた我が社の活況ぶりはきわだっていたという。信心深く、慈愛精神の中にも厳格だったおじいさん(創業社長正次郎)が率先して奮闘する姿がいまも目に浮かぶそうだ。

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