中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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48て心機一転の本格営業展開への布石を打っている。従業員も素人然としたお手伝い程度の社員から、営業マン、タイル職人などに一新、また、将来の後継者含みを兼ねて、営業の責任者に妻の縁者で養子縁組みした中村英男を据え、ベテラン社員だった常岡一馬、澤田勲を番頭格の副営業担当として戦後急展開しだした復興事業に邁進していった。とくに、常岡と澤田の両者は、眼病を患い行動がままならない中村英男をよく補佐し、実質営業の中心を担っていった。■起業祭正次郎は店屋町に新事務所を移転した昭和二二年一一月二八日を創業記念日とし、毎年この日には神前にお供えを上呈する起業祭を行っている。祭主は正次郎で、副祭主英男のもと、従業員、店舗関係者、技術者、銀行等の経理関係者、正次郎の両親から家族までが集う、感謝を込めた起業祭である。この祭事は、株式会社へ移行する直前の昭和四三年まで毎年執り行われ、正次郎が深く帰依した金光教の「おかげ」精神にのっとり、営業の成果を喜び、経営多角

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