中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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29the history of One hundred years NAKAMURA株式会社中村タイル商会100年のあゆみ創業者は中村正次郎。四家に分かれていた中村家の三番目の兄弟正七系の次男坊で、若い頃から正七系中村家の生業であった左官業に従事していた。しかし、次男坊であったためにいずれは分家独立の運命を直感していた正次郎は、二〇歳で兵役を終えると、その間に貯めた三五〇円を資金にして、一念発奮、左官材料製造販売およびタイル販売業を旧市内の上辻の堂町(現祇園町)で始めた。社名は「トキワ商会」。今日の中村タイル商会の名はなぜか名乗っていない。当時カタカナの社名は一般に珍しく、なかなかシャイな人柄を連想させるが、どうだったのであろう。 創業の動機は、当時、目新しい建材として広まりつつあったタイルに魅了されてのことであったという。おそらく文明開化の波が博多にも押し寄せ、本家の生業の左官業に近い所で、自身の持つ技能を活かしつつ本家の左官業を補完することも兼ねて、乗り出した事業であった思われる。創業者の中村正次郎

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