中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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106事務所を移転していますが、それぞれの思い出やエピソードもあります。業績不振で、やむなく従業員削減に踏み切ったこともありました。とにかく企業の一〇〇年です。世の喜怒哀楽の全てがあったと言っても過言ではないでしょう。私自身はその後半部分に関わらせてもらったわけです。記憶が曖昧なものは止めましたが、それらの出来事は出来る限り紙面に反映したつもりです。さて、平成二一年に、私は三代目社長を退任、後継に中村正昭を就任させました。まだ四六歳の若さですが、今のところ大過なく大任をこなし、業績もアベノミクス効果でしょうかまずまずのようです。しかし、タイルを巡る環境は決して良好ではありません。タイルを使っていた建物外壁やキッチン・風呂場の内壁がユニット化され、その波に押されタイルの使用が減り続けています。一方で、危機感を持ったタイル業界、特にタイルメーカーは生き残りをかけた新感覚を複合した技術革新に取り組みだしています。太陽電池を組み込んだタイル、発光タイル等々、タイルはもう、美観と丈夫・長持ちの世界ではないのです。この状況は若い感覚の世界です。

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