こどもたちへ 積善と陰徳のすすめ
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24てくれませんか」と問われました。孔老人の占いで、これまで一回もまちがうことなく的中していたことのすべてを話しました。雲谷禅師はそれらの話をすべて聞き終ると「さても驚いた易者だ。あなたのただ今のお気持ちだったら、高い位の官吏になることもできず、また子供もなく、寿命も五十三歳で終るでしょう。しかしながら、私が一つ一つ申し上げるような修業を成すことによって、天命を変えることができるとしたら、それを実行してみたいと思いませんか。どうですか」といわれました。私は、その時しばらくじっと考えていましたが、「禅師がお示しくだされた内容は甚じんしんしごく深至極(はなはだふかい内容にきわまっている)と思いますが、私はいまだその心がまえができていません。何となれば、およそ高い地位に上る人を見ますと、たいていはみな福ふくそう相(よい顔だち)をしていますが、私の顔は、とても福相とはいえません。またこれまで善いことを修業して福分を殖ふやすこともしてきませんでした。そのうえ生まれつき、世の中のことがわずわらしく、人の非ひを見るとすぐに憎む気持ちがはなはだしいのです。また、自分の才能や智ちしき識をひらけかして日常の思うことを遠慮会釈もなく気ままにいい、また相手に気に入られるために愛想づかいをしていました。これらのたぐいは、みな私が薄はく相そう(福のうすい顔だち)であることが原因だったかと思うのです」

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