㈱カンサイ 60年のあゆみ
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26history of sixty years KANSAIhistory of sixty years KANSAI株式会社カンサイ 60年のあゆみしまう傾向があるようだ。勉は「現在の関西電業の組織のままでは、若い社員は育たないのではないか、時代は動いているのだ。その推移に即した組織に改めない限り、社員の定着率は改まらないであろう」と考えた。社員の定着率だけが問題ではない。古参、中堅、若手にかかわらず、関西電業で働く全社員が現在の膠着した組織の中では、納得できる働き方ができずにいるのではないだろうか。このままでは、関西電業は時代に取り残されて、企業として大きく発展することはできないのではないか。勉の胸のうちに、わき起こったこうした不安と疑問が、澱おりとなり凝しこりとなって育っていった。勉はその不安と疑問を父親である社長にぶっつけ、組織の改革を進言した。しかし、社員は黙って社長についてくるのが当然であり、またそうしてきたからこそ、現在の関西電業の繁栄があると信じている社長とは、当然、対立することになる。新しい組織にすべきだという勉と、今のままでいいという楢蔵の間で、議論が沸騰する。周囲の者は、どちらも会社を思って真剣に議論していることはわかっているのだが、実の親子の間だから、遠慮がない。親子喧嘩のように見えることもあったようだ。関西電業では、毎年、日頃からお世話になっている顧客の方々を対象に、感謝をこめて、「カンサイフェア」を開催している。これは一般のユーザーとメーカーと電気工事会社の三者が共に集い、仕事と需要を創造する場を提供するのが目的である。第1回目は福岡市博多区の博多スターレーンを会場に、1981年(昭和56)7月24日から3日間「KANSAI─省エネ・総合電設資材展」と称して開催されている。ポスターには新技術・機能商品見本市という文字もあり、「使いながら節電」というキャッチも踊っている。30数年前には、関西電業では、既に省エネに視点をあてていたことになる。将来を先取りして社会をリードしていく企業姿勢が、現在の当社の発展につながる大きな要因になっているようだ。フェア開催の節目となる「第20回カンサイフェア」は、2000年(平成12)7月28日から3日間、博多スターレーンを会場に開かれたが、この年は奇しくもミレニアムの年であり、「ミレニアム・ドリーム到来」を合言葉に「ミレニアムから新世紀快適元年へ」というテーマを掲げ大いに盛り上がった。「カンサイフェア」三菱電機飯田工場見学(1984年〔昭和59〕)

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