『「いいんだよ」は魔法の言葉』試し読み 最新版
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 20り、遊んだり、まずは人間関係をつくって、徐々に学校への橋渡しにしようという目的です。出欠状況や学習の進み具合を報告し、次の対策を考えていくという個別指導のスタイルです。 同じ頃、東区和白地区を中心とした母親グループによる「登校拒否・不登校を考える親の会」が発足し、不登校生の親が参加できる地域の勉強会「親の会」が立ち上がりましたが、「学校外教室」ができたことで、拠点は「学校外教室」へ。親子が揃って学べる場として引き継がれていきました。手探りから始まった活動は、理事会も保護者会も全面支援を約束し、順調に進んでいきましたが、「変化には痛みを伴うもの」と当時を振り返る稲毛先生の言う通り、教職員の一部には不登校委員会ばかりが評価され、快く思わない先生が出てきたり、一筋縄ではいかないこともあったそうです。また、過去には、合格した生徒が「不登校の学校とは知らなかった」と辞退したこともありました。それでも、メンバー6人の先生たちの情熱によって、行き場のない子どもたちのサポー

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