『「いいんだよ」は魔法の言葉』試し読み 最新版
19/27

19第1章 立花高校の現在不登校対策への取り組み1970年代後半から、全国の高校中退者を受け入れ、立て直しを図ってきた立花高校でしたが、転換期として大きく変化した主軸となったのは、90年代初め、不登校生の受け入れを始めてから。1996(平成8)年に、不登校生徒指導委員会(以下、不登校委員会)が発足。本格的な支援対策が始まりました。今のように、フリースクールやサポート校がほとんどない時代。その年の立花高校の在校生154名のうちの81名、つまり、生徒の約半数が不登校の経験者でした。不登校生徒の自立支援に早くから目を向け、旗振り役だった故・西村仁一先生を座長として、現場のまとめ役であった稲毛孝一先生ら若い先生が中心となって、「不登校生徒指導委員会」が設置され、積極的な不登校対策が始まっていきました。スタートは「学校外教室」というもの。公民館などの施設を利用して、登校できない生徒のために、家庭と学校の中間に「居場所」をつくり、特別教室を開きました。学習した

元のページ  ../index.html#19

このブックを見る