慰安婦と医療の係わりについて 試し読み
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23井卜新校補)、「ポンペ日本滞在見聞紀~日本における五年間」。日本の売買春に関する記述で、ヨーロッパとの違いについて、遊女屋は警察の監督下に置かれているが、それは厳しい取り締りというより保護である。ヨーロッパでは個人が自分で売春するのであるが、日本では幼女売買から始まる。売買された幼女は15歳で遊女となり25歳で年季が明けた後は社会復帰するが、恵まれた結婚をすることもまれではない。一方淫売女は軽蔑される。遊女に対する医学的監督の必要は大いにあるが、役人は耳を傾けない。主に長崎の事例をあげている。⑶⑵ラザフォード・オールコック Rutherford Alcoch (1809~1897)1859年(安政6)~1864年(文久4)滞在。修好通商条約調印の翌年イギリス公使として着任。元軍医。外科医を志したが、リウマチで手指が利かなくなり外交官となった。在任中1863年、薩英戦争。1863年『大君の都』出版。その中で買春と婚姻のあいだにふみこえることのできぬ一線というものがないということが、婦人の純潔と男性の道徳、ないし家庭の関係に対してどのような影響を与えるかなど、日本を本当に理解しなければわからないとしながらも、一夫多妻制とドレイ制との認識を売買春についてしている。⑺⑶ウイリアム・ウイリスWilliam Willis (1837~1894)1862年(文久2)~1877年(明治10)滞在。イギリス公使館補

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