[お試し読み]ホメシカ理論
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12ちょっとしたほめ方の工夫でまわりが思いどおりに動く!Q.「うれしい」と「つらい」という2つの感情は、人生でどちらがより多く感じていると思いますか。多くの人が「つらい」と答えるのですが、実はそうではありません。人生は「うれしい」と感じるほうが多いのです。もし本当に「つらい」が多いとすれば、ほとんどの人が自殺をしてしまうでしょう。「そう言われても、私はつらい記憶のほうが多いんですけど……」これは仕方がありません。不思議なことに人間は「うれしい」という記憶を忘れがちなのです。本能なのでしょう。つらい記憶はしっかりと覚えておかなければ、同じことを繰り返してしまう可能性が高まりますし、場合によっては記憶のあるなしが生死に関わります。一方でうれしかった記憶は、失われたからと言ってリスクに直結しない。となると、どうしても「つらかった」と感じたときのほうが強く心に残ってしまいます。つらい記憶が多いとなると、「私はこれだけのつらい体験をしてきたからこそ、今の自分がある」というストーリーができやすくなります(あながち妄想とも言い切れない部分もありますし)。

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