民話いっちょ食べてみらんの 試し読み
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12眉まゆにはかいこ。目にはひえ。腹にはいね。陰いんぶ部には麦と豆がなっとった12*げなばい13*。天熊宇志はこれば持って帰り、天照大神に差し出したげな。そしたら、ほんに14*喜ばしゃって、「これはみんな人間が食べていくもんで、大事なもん。お前はこの種ば持って、中つ国へ行き、あわ、ひえ、麦、豆は畑に植え、稲は水田に植えるがよか15*」ちいうて、天熊宇志に種ばやったげな。天熊宇志はその種ば持って、中つ国へきて、ほうぼうよか土地ば探さしゃって、種ば植えたげな。備び前ぜんの牛うし津づは天熊宇志が上じょう陸りくしたところとして知られとるばい。*12 なっていた *13 〜らしい*14 本当に*15 〜がいい

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