概要
馬関海峡のように、陽気で強く躍動する長州人たちの身内を、大正生まれの私は、末永く見つめてきた。
特に義兄の瑳企氏は、大村益次郎の先祖とそのルーツを同じくし、防長の民らしく時代の先端をみすえ、世のため人のためにと信念を貫いた。瑳企氏は、わが身が裸一貫になっても、人助けする人だった。瑳企氏は幕末・明治、大正、昭和と、先祖のことを本にしたいと「ボーフラ日記」を書いていた。まだ完成にいたらず91歳で他界されたが、孫の優子氏がその思いを受け継ぎ、優子氏の角度から原稿を書き続けた。
優子氏は、平成24年から原稿を書き始め、後一歩というところで体調を崩し、原稿だけは生かしたいと、一番信頼できる御NHK放送局に一旦、その大切な原稿をお送りした。
「番組制作に役立てます」というお返事を頂き、一年後、再起をはかり優子氏はまた、続きの原稿を書き続けた。それがこの「馬関でまっちょるそ」である。
時代を懸命に生きようとする、懐かしいほど愛すべき防長の面々が描写されている。防長の民のエネルギーの中に、同時に昔の日本人たちが大切にしていたものを、この本から感じ取って頂ければと実感する。
(北九州市医療事務計算センター 代表取締役社長 山内幸雄)