概要
本書では、鹿児島県の屋久島と奄美大島の間に広がる村、十島村(トカラ列島)とその周辺について述べています。
この村は、住民登録のなされた範囲、即ち南北120㎞弱の間に点在する7つの島に人々が生活を営んでいることでは、タイトルのようにまさに「日本一長い村」と呼ぶにふさわしいでしょう。
さらに、役場本庁はその行政区域内にはなく、海上をはるか離れること200㎞、鹿児島市内にあるのです。
一番遠い宝島の住民からは300㎞、そして南の端の無人島横当島からなら346㎞もあるのですから、その置かれた環境たるや推して知るべしであります。なお、無人島を加えると行政区域の長さは162㎞になります。
この特異な村、十島村の自然・民俗・歴史にとどまらず、範囲を少し広げて、薩摩硫黄島などの三島と口永良部島や、無人島になっている硫黄鳥島など、ほぼ南北に連なる小さな島々に焦点を当てようという想いが一つになり、著者4 人が集
まって本書の刊行となりました。それぞれの専門から様々な切り口で紹介しています。
周りの屋久島・種子島や奄美・沖縄の島々や九州本土との関係、さらに中国・朝鮮半島など海と船で連なる世界の国々との関わりにまで目を向けてみますと、そこには読者が今まで意識せずに過ごしてきたさまざまな「海の道」が見えてくるに違いありません。