中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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51the history of One hundred years NAKAMURA株式会社中村タイル商会100年のあゆみに、わが国のタイル需要を刺激していった。やがて、日本家屋の台所や風呂場にも必需品になっていった。創業者正次郎が、左官屋家業の延長線で選んだタイル・ビジネス。この盛況が、戦災で潤うことまで読んでいたとは思えないが、災いが幸運をもたらした。しかし、幸運だけではないのも確かである。戦災の有無にかかわらず、日本建築物の洋風化、ビル化は必然の流れだった。すでに明治、大正の文明開化で一部始まっていたからだ。その意味ではタイル・ビジネスを選んだ正次郎の判断は正鵠を得ていたといえるのではないか。 ■朝鮮動乱特需追い風はさらに吹いた。朝鮮動乱の勃発である。南朝鮮と連合した米軍は、福岡の板付空港、雁の巣空港(こちらは米軍専用)を前線基地にして、続々部隊を増派してきた。それに連れて、基地施設の増強整備も突貫工事ですすめられた。当然タイルの需要も増大していった。さらに、朝鮮動乱は、車両、タイヤ、衣類、食料、電気等々、あらゆる物資を必

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