中村タイル商会創立100周年記念誌_150313
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45the history of One hundred years NAKAMURA株式会社中村タイル商会100年のあゆみ3 太平洋戦争時の福岡空襲と社長の決断昭和二〇年六月一九日未明、福岡は大空襲にみまわれた。聖福寺がある御供所町一帯を除いて福岡の町はすべて灰燼に帰した。上辻の堂町にあった店舗ももちろん焼失、愛用のダッドサン自動車も、会社関係書類も、またコツコツためていた絵画等の趣好品もすべてが焼失してしまった。このため、営業中止のやむなきに至ったのは至極当然の成り行きで、焼け跡に立った中村正次郎社長もしばし途方に暮れただろうことは想像に難くない。しかし、その年の八月には終戦。もう破壊されることはない。正次郎はこの焼け跡に立ちながら、世の中の行末を黙考しつつ、いち早く再起の道を探りはじめていた。やがて自分にできるのはタイル販売しかないと決断。決めたら行動は早い。その年の十一月にはもう真砂町(現博多区)に、後に福岡市長になった阿部源蔵氏

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