㈱カンサイ 60年のあゆみ
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47history of sixty years KANSAI飛2005~Dramatic period躍期2007年(平成19)11月には、大分県では初の営業所を大分市内に新設した。従来の営業所開設は既設の営業所を分離してなされる場合が多かったが、大分営業所は全くの新設である。「今回はほぼゼロからのスタート。所長以下、新規開拓に邁進しなければならない実験的な試み」といわれた。この試みが成功すれば、10年計画の柱の一つである営業所網構築が一段と進むことになる。2008年(平成20)9月に筑豊地区に2カ所目となる田川営業所を開設。住設事業部門に力を注ぐ一方、主力の電設部門に対する取り組みも活発になされ、「10年計画」の3年目に当たる2008年(平成20)3月期の決算では、前年度の198億円の売上高を大きく超えて214億円という数字を記録した。10期連続の増収である。しかし、社長は「勝って兜の緒を締めよ」の格言どおり、決して手離しで喜ぶことをしない。「販売会社として成長し続けるためには、さらに新規開拓するしかない」という持論を堅持し、増収増益を目指す計画を進めていく。2009年度(平成21)の売上は200億円をわずかに超えた201億円にとどまった。予想外の減収である。2010年(平成22)の売上高はついに、200億円を割って191億円にとどまった。カンサイに限らず、リーマンショック以降の不況が続いていて、多くの企業が減収・減益を強いられている状況である。といって業績不良を時代のせいにするわけにはいかない。厳しい環境だからこそ頑張らなければならないし、不況だからこそ、営業力の真価が問われるのだ。「販売会社としての原点に戻り、本業の電材卸を中心に細かなことを着実にこなすとともに、常に新領域への挑戦を続けていく」と、社長の新しい領域への挑戦は一層意欲的になる。その新しい領域への挑戦先として、オール電化商品や太陽光発電システムなどのエコ商材に注目する。地球環境に対する人々の関心が年々高まり、そこに需要が喚起されるのは必至なのだ。「エコ商材は将来必ずやわれわれのフィールドを広げる」と、社長の新領域に対する期待は大きい。毎年7月に大々的に開催される「共創展・カンサイフェア」では、常に新領域の提案商品がラインアップされる。2010年(平成22)7月の「フェア」は30年目の大型展示商談会とあって、来場者は1万8,700人、売上高22億8,000万円と、共に過去最高を記録す不況のなか、新領域への挑戦は続く大分営業所開設(2007年〔平成19〕)

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